今回は無料で手に入る画材の教科書を紹介します 。
私がオススメする画材の教科書とは各画材メーカーが出している画材カタログです。
初めてで何から手をつけていいか分からない
初心者キットで始めてみたけれど
もっと他の絵の具も買ってみたい
そんな人にオススメです。
これから絵を描き始める人にぜひチェックしてもらいたいですが
ある程度、画材に慣れた人が
新しい画材に挑戦する際にもヒントが
たくさん詰まっているので
基礎の復習も兼ねて読んでみるといいと思います。
もくじ
なぜカタログがオススメ?教科書になる理由
初めて画材を扱おうと思って本屋さんに行っても
自分にとって必要な本
読みやすい本
が初心者だと分かりづらいと思います。
買ってみたけどちょっと違っていた
というのは悲しいですよね。
図書館に行くとたくさんの技法書がありますが、
本によっては情報が古かったりして
今ではあまり使わない画材での解説や
分かりづらいレイアウトで解説が載っていたりします。
その点、メーカーが出しているカタログは
画材の最新情報が載っているので
「今」始める人
「今」絵を書いている人
にとって参考になります。
カタログには商品の解説だけではなく
基本的な使い方や技法も掲載されています。
初めてで何を買っていいか分からない人や
少しかじったけれど
もっと詳しく知りたい
という人にとっての入門書にもなるのです。
画材屋さんで簡単に手に入るものなので
ぜひ活用して画材知識を深め
購入の際の参考にしましょう。
カタログはどこで手に入るの?
カタログは画材屋さんで手に入れることができます。
様々なメーカーが色々なカタログを出しています。
カタログは画材屋さんに行くと
油絵なら油絵コーナー
アクリルならアクリルコーナー
などそれぞれの商品の近くに置いてある場合や
チラシやカタログのコーナーに
まとめて設置されている場合が多いです。
お店によって設置しているカタログの種類は
違いますが大きい店舗であれば
よりたくさんの種類のカタログが設置されています。
油絵の具カタログについての解説
ここでは主に油絵のカタログを元に
どの様な部分が参考になるのか紹介していきたいと思います。
画用液カタログについて
では実際にどのように画材の使い方が
載っているのか見てみましょう。
まずはホルベインの画用液マニュアル
というカタログを見てみます。
それぞれの画用液の解説ページだけでなく
画用液を使ったテクニックの解説や
古典技法に関する説明もあります。
どのような技法で
何の画用液を使用するのかも
解説されています。
カタログではそれぞれのオイルごとに
索引も付いていて一覧から
確認したい画用液を検索することもできます。
次にクサカベの画用液カタログです 。
クサカベのカタログにも
画用液の使い方と
それを活用したテクニックの解説が載っています。
油絵の基本的な描き方の手順も
下描きから仕上げ、完成後まで解説があります。
画材の扱い方に関する解説は
画用液のカタログに載っているので
絵の具のカタログよりも
画用液のカタログをチェックするようにしましょう。
たくさんの画用液があり
初めての人はどういう名前の意味だか
分からないかと思います。
しかし
本を読むように
最初から丁寧にページを読むことで
オイルの種類がなぜたくさんあるのか、
それぞれにどんな特性があるのか
分かるようになっています。
筆の洗い方や
よくある絵の具と画用液の質問も
Q & Aで載っていることが多いので
商品紹介以外の要素もとても充実しています。
画材の基本的なことは
カタログを読み込むだけでもしっかり知ることができます。
油絵の具カタログについて
次に絵の具のカタログを見てみましょう。
絵の具のカタログは
それぞれのメーカーがブランドごとに
出していることが多いです。
これはマツダのカラーチャートです。
このように同じメーカーでも
絵の具のブランドによってカタログが違います。
ブランドが違うと値段も違ってきます。
カタログの中にはそれぞれの絵の具の
カラーチャートが乗っています。
ホルベインのカタログでは
原色の色が左側に
右側にはパーマネントホワイトを混ぜた時の色が載っています。
カタログには色の名前の他にも
価格を表す記号
堅牢度
透明度
混色制限記号
なども載っています。
メーカーによっては
使用している顔料の種類も表記されています。
天然顔料か合成顔料かに
こだわりたい上級者にオススメのポイントです。
上記の要素を見て絵の具選びの参考にしましょう。
ホワイトの絵の具は
種類が多くてどれを選ぶべきか迷う人も
多いと思いますが、
ホワイトの絵の具はそれぞれのメーカーで
個別に詳しく解説が載っていることがあります。
ホワイトはホワイトでも
それぞれの色によって特性があるので
カタログの解説を読んで参考にしつつ、
自分の好みを見つけると良いでしょう。
カタログを見ていても初めて絵を書く人は
色がたくさんあって目移りしてしまい
何が何だか分からない
どれも同じような色に見える
という人も多いかと思います。
しかしよく見てみると
とても参考になるので落ち着いて
ゆっくり見てみましょう。
欲しい色を事前に自宅で
チェックしておくと店頭での色選びがスムーズになります。
自分の欲しい色を
事前に決めておくことで
既に持っている色をもう一度買ってしまう
という失敗がなくなります。
絵の具の種類はとてもたくさんあるので
絵の具を何度も追加購入していくと
自分が持っている絵の具の種類を把握しきれず
その場で欲しくなった色
持っていなかった色
を選ぼうとしても
実は普段使っていないだけで
すでに持っていたという場合もあると思います。
新しいシリーズの絵の具が販売されると個別にカタログが出ます。
これはイタリアのメーカーである
マイメリ社の絵の具です。
絵の具のコンセプトなどが書かれているのが分かると思います。
カタログを見比べる
このようにカタログには画材の情報がたくさん載っています。
何のための画用液なのか
似たような色なのに何が違うのか
というようなことが分かるようになっています。
油絵のカタログと同じように
アクリル絵の具や水彩絵の具、パステル
などもカタログが存在しています。
自分の興味のある分野のカタログを
色々と見てみましょう。
一つのメーカーだけでなく
複数のメーカーを見ることをオススメします。
メーカーによって販売している商品が微妙に違います。
油絵の場合、
画用液はテレピンやリンシードオイルなど
メジャーな商品はどのメーカーからも
同じ名前で発売されていますが
速乾メディウムやジャパンゴールドサイズ
のようなものは
似たような性能を持っているけれど
全く同じ名前ではない商品もあります。
そのメーカーからしか販売されていないもの
もあるのでそれぞれのカタログを
チェックしておくと良いでしょう。
上級者にオススメのカタログ
このカタログはどちらかと言うと
中級者から上級者向けのカタログになりますが
ホルベインから出ている
顔料に関するカタログです。
顔料というのは絵の具の元になる
色の粉のようなものです。
平たく言うと
色の粉にオイルを混ぜて作ったものが
チューブに入っている油絵の具です。
絵の具を自分で制作したい方や
テンペラに挑戦したい方は
こちらをチェックするといいと思います。
こちらには顔料の紹介だけでなく
様々な絵の具の作り方
(テンペラ絵の具の作り方やパステルの作り方など)
ニスの作り方
下地の制作方法
に関する解説が詳しく載っているのでとても参考になります。
フレスコやテンペラに必要な道具や
材料の解説も一緒に載っているので
今まで挑戦したことのなかった人も
どのような道具を使って描いているのか
想像しやすいと思います。
まとめ
それぞれのメーカーが出しているカタログは
最新情報が載っているものです。
事前にカタログを確認しておくことで自分に必要なものが分かり、
買いたい物を考えるときに役立ちます。
使い方も丁寧に解説が載っているので
どんな風に画材を使っていいか分からない
という人にはおすすめです。
画材屋さんで店員さんにどれを選んでいいか相談した場合も
店員さんによってはこれらのカタログを確認しながら解説してくださるので
カタログを元にするとそれだけで勉強になります。
カタログがあれば画材を買う補助だけでなく
技法の勉強にも使えます。
ぜひ活用してみてください。