絵の評価が気になって苦しい?下手な絵から上達したい!

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今回は自分の絵の評価が気になる、周りの人がみんな上手で嫉妬してしまって苦しいと言う悩みに関するお話です。

絵を描いていると誰しも自分の絵が上手いのか下手なのか考えたことがあると思います。

傍から見ると絵が上手い人でも自分の中にコンプレックスがあり画力に対する悩みが尽きない人もいます。

そんな人の悩みの解決につながればと思い私なりの考えを書きました。

 

絵の評価が気になる!その原因は?

まず自分の絵の評価が気になっている時、

誰からの評価が気になっているのか

何がきっかけで評価が気になっているのか

を考えてみましょう。

 

  • 自分で評価が低いと思っている場合

ネット上に上がっている上手な絵や周囲の人を見て

自分はこんな風に描けない

たくさん練習しているのに描けない

「いいね」があまりつかない

と悩んでいる場合です。

 

この場合、他人から見ると

十分に絵が上手いのに自分の中で

理想が高すぎるがゆえに自分は

絵が下手なんだと苦しんでいる場合もあります。

 

 

  • 身近な人に言われた言葉がきっかけで評価が気になっている場合

友人や家族に自分の描いた作品を

あまり評価してもらえず

自分の絵は下手なんだと悩む場合です。

 

 

私が思うことなのですがどちらのお悩みについても

絵の評価の基準を

他人に委ねすぎているのではないか

依存しすぎているのではないか

ということが気になります。

 

自分の以前の絵と比べて

上達したかどうかを確認して

「自分の」絵が上達することの方が

大切だと思うからです。

 

 

自分で評価が低いと思っている場合

 

ネットの世界は広いので自分より

年下なのにすごく絵が上手で

自信をなくしてしまう

そんなこともあると思います。

 

しかし若くしてとても絵が上手だという人は

むしろ規格外な稀有な存在だと思います。

 

それはネットの世界が身近になっているが故に

すごく身近に絵の上手い人が存在すると

感じているだけかもしれません。

 

 

例えばあなたが小学生の初心者で

スイミングスクールに通っていたとします。

地元のスイミングスクールに同い年で

全国レベルの速さの選手が何人もいるでしょうか?

 

もちろん中には将来有望な

規格外の人もいるかもしれません。

しかし最初は周りの人も同じぐらいのレベルだと思います。

 

そこでしばらく練習を積み

徐々に自分のレベルが上がってきたら

上級者向けのコースで練習するようになったり

さらに記録が出るようになってくれば

優秀なコーチのいる別のスクールに

通うことになるかもしれません。

 

そうして徐々にレベルアップしていくものだと思います。

 

部活動でも市の大会、県大会

地方大会、全国大会へと

規模が大きくなっていきますよね。

 

しかしネットの世界

様々な世界が身近に感じるがゆえに

知らず知らずのうちにいきなり

全国大会の選手と比べているような状態になり

 

結果的に本来自分にとって必要な課題が

分からなくなってしまっているのではないかと思います。

 

県大会で苦戦している選手が

全国大会の選手と比べて悩んでいるような状況だと思います。

 

本当に必要なのはまず県大会で勝ち進んでいくために必要な基本を鍛えることです。

 

全国大会の選手から学ぶことは大切ですが

全国大会の選手に勝てないからといって

落ち込んでいてもしょうがないと思います。

落ち込むよりもやるべきことがあるからです。

 

能力がある日突然開花することはほぼ無いでしょう。

ひとつずつ練習を重ねてステップアップしていくことが絵においても大切です。

 

過去の自分をいかに乗り越えられるか

最大のライバルはネットの絵ではなく自分自身です。

 

常に自分の力を振り返り、

周りに惑わされず修行僧のように

研鑽を積んでいくことこそが

上達の近道のように思います。

 

人に惑わされて迷いが生まれ

絵を描く手を止めてしまうことが

一番上達から遠ざけることになります。

 

 

上手な人を目標にモチベーションを高めて

頑張ろうというのはとても大切なことなので良いことだと思います。

 

しかし逆に心が折れてしまうのはとても

もったいないことです。

 

 

個性と適正

絵というものは個性の塊であり

ひとつの見方だけで評価するべきではないと考えています。

一般的にもよく言われますよね。

 

そして同時に人には当然

向き不向きがあります。

 

向いていないなら止めろという話ではありません。

 

努力の方向性が人によって違うということです。

上達のスピードは人によって違います。

 

理想の絵に届かなければ

もちろん努力するしかありませんが

 

美術もスポーツと同じようにある程度、

適正というものはあると思います。

 

 

ソーシャルゲームなどに使われるイラストと

ファッション雑誌のコラムページや手帳の表紙

使われるようなイラストは同じタッチではありません

 

ソーシャルゲームなどのイラストは

デフォルメされた人物で写実的な表現とは違います。

しかし立体感があり背景にはエフェクトなどが盛り込まれていたりします。

 

ファッション雑誌に載っているイラストは

さらっとした線画で描かれているなど

さらに写実的な表現から遠のいていたりします。

色の塗り方も人物の凹凸を立体的に描くものではなく

単色で塗られていたり、

線画からわざとはみ出して色を塗っている場合もあるでしょう。

 

絵画作品では写真のように写実的に人物画を描く人もいます。

 

 

絵と一口に言っても分野は様々です。

スポーツで長距離走が得意な人

短距離走が得意な人がいるように

イラストが得意な人もいれば

写実的な表現が得意な人もいます

 

 

イラストは得意だけど写実的に書くのが苦手だと言う人は

自分の長所を生かしてイラストの世界で上達を目指すと言う場合と

苦手だけど写実的な表現で書きたいから写実的な絵が上達するように頑張る

という二つの道があります。

 

もちろん苦手な方向で頑張るほうが茨の道です。

 

 

イラストでは全く評価されなかったけれど

写実的な絵だととても人気になったという場合もあると思います。

 

それは向き不向きであり、大切なあなたの個性です。

苦手でも絵は途中で心を折らず正しく練習すれば上達していきます。

 

長所を伸ばす方向で進んでいくのか

短所を克服する方向で進んでいくのか

それはあなた次第です。

 

 

 

短所を克服したいけどなかなか上達せず焦る時

絵の短所を克服したいという時、

もしくは短所かどうか分からないけど

上達スピードが遅いと感じている時

焦りは禁物です。

 

数学は苦手だけど理科が好きで

生物学者になりたいから理系に進むために数学を頑張る

というのは

もともと数学が得意な人が数学を頑張る以上に

苦しいし、つまずくポイントも違います。

 

だから人と上達のスピードが違っても

仕方がないことなのです。

 

あなたがあなたである以上

あなたにとって必要な絵の勉強を

しなければならないからです。

 

だからこそ私は人と比べて作品を評価しすぎると

自分に眠っている能力を

見落としてしまうことにもなるので

少しもったいないと感じます。

 

 

身近な人に絵を酷評されて自信を失ってしまった場合

私もかつて美術の進路に進もうと思った時に周りの人にとても反対されました。

 

  • 美術は才能の世界だから止めたほうがいい
  • 一握りの人間しか成功しないから止めたほうがいい

 

そういうことをたくさん言われましたが

私がその時に思ったことは

「才能が無いと見抜くだけの才能がこの人にはあるのだろうか」

ということです。

 

 

そこに疑問を持ち実際に美術の先生に話を聞きに行くと

決してモチベーションを

後ろに引っ張るようなことは言いませんでした。

 

これまで様々な先生や作家、

コレクター、ギャラリストと出会ってきましたが

どの人とも話の中で「才能」というワードは聞いた記憶がありません。

 

むしろ

こういう勉強をすると役に立つよ

この先生に習うといいよ

こんな企業があるよ

という成長するための情報をくれます。

 

 

自分の絵に対して否定的なことを言う人

ちゃんと絵を描いたことのある人なのか

想像で美術を語っている人なのか冷静になってみましょう。

 

もしその人が美術のプロでないなら深刻に捉える必要はないと思います。

 

 

その人が今、心配しているのは

正しいあなたの能力でも

本当の美術業界のことでもないからです。

 

 

 

評価とあなたが絵を描く動機について

どうしても他者からの評価が気になってしまうという人は

何のために自分は絵を描くのか

ということを考えてみるといいと思います。

 

 

人に認めてもらいたいから絵を描くのでしょうか?

 

それも一つの動機です。

 

自分の絵を認めてもらうことで

自分自身を認めてもらうことに繋がり

幸せな気持ちになれるということもあると思います。

 

しかし

人に自分の絵を褒められたいということは

それはその人に喜んでもらいたいということでもあると思います。

 

渾身の作品が出来上がって身近な人に絵を見せる時は

「わー!すごい」と言ってもらいたくて

見せるのではないでしょうか。

(もちろん厳しい意見が欲しくて見せることもあると思いますが)

 

人が絵を褒めるということはどういうことなのでしょうか。

それはその人の心が動くということでもあります 。

つまりは感動です。

 

 

自分が一生懸命描いた絵でその人を感動させたい

その動機はとても尊いものです。

 

もしあなたが人に絵を褒められたいと思っているなら

それはその人を感動させたいということと紙一重だと思います。

 

 

強い意識を持って練習すればするほど

勝負の勝ち負けのように

上手い下手にこだわってしまいます。

 

しかし自分が上達するのは

絵を描く他の人と競い合うためではなく、

絵を見る人のためでもあるのだと思うと

勝負の世界から解放され自分の上達に集中できるのではないかと思います。

 

 

 

絵の上達方法

ではどうやったら絵が上達するのでしょうか。

 

絵は赤ペンで自己採点できるようなものではありません。

目標になる記録やタイムがあるわけでもありません。

 

これはとても厄介なことで、

自分がどの程度上達しているのか

どこが間違っているのかを自分で確認できないのです。

 

そのため 、一番の練習方法は

絵の上手な人に絵を見てもらうことになります。

 

自分では正確に描いたと思っていても

歪んでいる場合があります。

自分のベストを尽くしても客観的に見るとまだまだだったりします。

 

初めのうちは自分の作品を客観的に見ることができないのです。

 

確認してもらうことで自分が正しいと思っていた認識に修正が入り

ものを正しく見る目が養われていきます。

 

これを様々なモチーフで繰り返していくと

どのようなモチーフがでも描けるようになります。

デッサンはこれの繰り返しです。

 

 

自分だけで10回絵を描くのと

人に見てもらいながら10回絵を描くのとでは

上達のスピードがまったく違います。

 

 

そして本気で上達を目指すのであれば

環境が大事だったりもします。

 

上記の人に見てもらえるということも環境の一つですが

集中して取り組める状態に自分がなっているのか

ということです。

 

みんなが遊んでいる教室で一人テストを受けるのと

クラス全員がテストを受けている中でテストを受けるのと

では集中力が違うと思います。

 

家で勉強していると誘惑が多くて

宿題になかなか手がつけられないという人もいると思います。

 

絵においてもそれは同じです。

 

誘惑が多い中で集中力を発揮するのはとても大変です。

独学で学ぼうと思う人は強い心が必要です。

 

それは絵の描き方モチーフの選び方に対しても言えることだと思います。

無意識に自分が描きやすいもの

これなら描けるかな

と思うものを選んでいないでしょうか?

 

誰かにモチーフを選んでもらう場合とでは難易度が変わってくると思います。

 

誰かに課題を出してもらう場合だと

このモチーフ嫌いだなというものも描かなければならないときが来ます。

しかしそれが自分の画力を高めることにも繋がっているのです。

 

 

まとめ

 

自分に自信を持つということは簡単に言われても実際はとても難しいことです。

根本的な部分で絵に対する認識が変わらないと解決しない場合もあります。

ありのままの自分の絵を受け入れることと なりたい自分の絵を目指すことが同じ方向とは限りません。

人によって上達のスピードは違います 。

自分の得意な絵柄 自分の得意な画材と自分の目指したい絵が一致している人の上達スピードが早いのは当然です。

しかし目指す方向と一致していなくても絵は正しい努力をすることで必ず上達していきます。

自分自身のベストを尽くして自分の絵の上達を目指してください。

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